PhDって内弟子みたいな感じだな、と思った。
ものすごく才能があるヤツでも、弟子にしてもらえるとは限らない。
単純に数がいっぱいという場合もあるし、カラーが違う、ということもある。
「うちに来るよりあの師匠に付いた方がコイツは伸びる」という愛情から、あえて門前払いにすることもある。
人生を預かるのだから慎重になるのは当然。
プロの直感で、売れるか売れないかは瞬時に判断できる。
将来的に自分の地位を脅かすかもしれない。
世代交代を目の当たりにするかもしれない。
それでも若手を育てるのが師匠の仕事。
その世界全体の将来を見据えなければならない。
一門の屋号がもらえなかったのに、長年お笑い界に君臨してギネスに載っている人もいる。
そういう意味では前に書いた就職とよく似ている。
“入れてもらう”ではなく“創る”というスタンスで成功する道もある。
結果待ちでじれじれしている期間は本当にしんどいけれど、自分を見つめ直すには最適な機会。
期待したり落ち込んだり焦ったり、そういうことから逃げないことが、すごくすごく大事だと思う。
ちなみに私の場合は、たまたま近所に師匠がいたというかコネ入社というか、要するに裏口入学風なので、きっとツケが回ってきて大変なんだろうと、あいかわらずのマイナス思考全開で不安に戦いている。