過渡期

Sさんの大学は春休みに入ったそうだ。
「聞いてー!」と電話がかかってきた。

SさんはU大学で日本語を教えている。
先学期、教授法のクラスで一緒になった。

学期末に学生の感想を取ったら、「文法をやってほしかった」。
Sさんはすごいショックを受けた。
んーやっぱりか。
先学期の私の実習の時と同じだね。

いろんな要因があるだろうけど、いちばんの理由はタイミングだと思う。
機が熟していない、というか。
学界で評価されていることが必ずしも教育現場に定着するとは限らないが、たとえ将来的に定石となるにしても、現時点ではまだ生徒がついてこられないのだ。

確かに“客商売”なので、生徒が手ごたえを感じないのはよくない。
だからといって、無難な方法がいいわけでもない。
(Sさんは「もうこうなったら文法漬けにしてやる!」と言ってたけど。)
教える側の知識が更新されていなかったり、実践する意欲がなかったりして、旧式にすがっていては進歩がない。

どっかで変えていかなくては、ね。

もし今がその時だとしたら、たまたまそこに居合わせたのはラッキーなこと。
難しいけれど挑戦をやめるべきではない。

それがアメリカの大学という恵まれた環境で、最先端の情報をシェアしている者の責任のような気もする。

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