年下の友人に、就職活動の様子を聞いた。
一方で面接を担当している友人もいたりして、表と裏を同時に見ているようでおもしろい。
私たちの頃も就職難と言われていたけど、まだ就職しない選択はメジャーじゃなかったし、転職前提で会社を選んだりはしなかった。
バブルの残り香とリストラの粉塵が混ざっていたような時代。
就活テクが普及して、いままで学生として通ってきた関門と同じように見えるかもしれないけれど、残念ながら入試と就活は絶対的に違う。
就職するということは、そのあと一緒に働くということ。
まずは同じ釜のメシを分けて与えたいか。
やがてそのメシの味付けを任せたいか。
そういうこと。
味付けには好みがあるので、プロっぽい技がどこでも通用するというものではない。
素朴な薄味でもバリバリの化学調味料でも、その組織に合ってさえいれば喜んで迎えられる。
これを縁という。
夢や野望は大いに結構。
若気の至りもたまには役に立つ。
でも大人の社会は些かややこしい。
その入口が就職活動なのだ。
「生まれて初めての仕事で学んだことは、その後の人生でじわじわとボディブローのように効いてくる」。
就職したときにある方に言われた。
その時はよくわからなかったけど、後々その言葉も合わせて本当にじわじわ効いてきた。
新卒の良質な人材は、見る目のある組織にまっすぐ進んでほしいと思う。
ただ、それがすべてでもない。
いろんな職場でいろんな経験をした。
選択の中には間違いもあったかもしれないけど、でも、どのピースが抜けても替わっても、現在の私に辿り着かなくなってしまう。
だから、いままでもこれからも全問正解。
道が曲がっていたら迷えばいいし、行き止まりになったら考えればいい。
後悔はもったいない。