思いつきでモントリオールへ行くことに。
自分の運転で国境を越えるのは生まれて初めてだ。
フランス語専攻の元同居人Rは、ケベック市にホームステイ経験があり、モントリオールも5回ほど行っている。
ごはんを食べながらモントリオールの話を聞いていて、「じゃあ行こっか?」ってことになった。
急に決まったことなので、Rはパスポートをブルックリンの実家に置いてきている。
「でもNYCのIDがあるから大丈夫♪」と言う。
日本在住モントリオール出身のPとスカイプで会話。
レストランや名物料理などについて聞く。
当日の今朝になってRが、「念のためと思ってネットで調べたら、やっぱりパスポートが必要だった…」と言う。
確かに昔はIDで行けたらしい。
「いやだ~行きたいよぉぉ」。
気持ちはわかるが叫んでいても仕方がない。
大学の留学生科に相談に行くように言って、午前中の有効活用で私はパソコン講座に出かけた。
パソコンが終わってRとの待ち合わせ場所に行くと、「パスポートのコピーがもらえた」と言う。
Rは今夏からフランス留学するので、パスポートのコピーが留学生科に保管されていたのだ。
「たぶんこれで大丈夫。無理だったら引き返すけど、国境まで3時間ぐらいだから行ってみようよ」。
本当にアメリカの人は運転距離の感覚がおかしい。
ま、いいか。
高速は空いている。
夏の日差しがまぶしく、サングラスは必需品。
ちなみにRは免許がないので運転手はずっと私。
3時間半ほど走り国境に近づくと長蛇の列。
ブースが2箇所しか開いていないせいでもあるが、チェックが厳しいのだろうか。
並んでいる車はほとんどがケベックナンバー。
私の車は当然ニューヨークナンバー。
日本人運転手にパスポート無のアメリカ人。
この上なく怪しい組み合わせだ。
30分ほどして私たちの番が来た。
ドライブスルーの要領でブースに進む。
担当はケベック人のおじさんだった。
officer: ボンジュール。
emi: ボンジュール(パスポートを出す)。
officer: どこに行くの?目的は?
emi: モントリオールに観光で。
officer: 自分の衣類等以外でトランクに何か入ってる?
emi: いいえ。
officer: 助手席の子は?アメリカ人?
R: はい。
…来た!
officer: (emiのパスポートを返しながら)OK, Have a nice day!
あら?
通れちゃった。
窓を閉め少し走ってから車内で大爆笑。
国境管理はこんなんでいいのか?
なにはともあれ約250マイルのドライブを終え、無事モントリオールに着いた。
これだけ走って費用はガソリン代の$30程度。
高速代がタダってのはありがたい。