モノに限らず、知識でも親切心でも、押し売った途端に価値が下落する。
私は“国”を語れるほど自国のことをよく知らないので(ステレオタイプ不勉強)、めったに「日本では…」という言い方をしない。
もちろん取り立てて質問されれば答えないわけにはいかないが、あくまでも私が知る範囲での、極端に主観的な情報でしかない。
それでも受け取る側には「日本人が言った」という印象が強く残り、結果、「日本ではそうらしい」となりかねない。
なのでできるだけ避けたい。
プラス相手側の興味も考慮したい。
“質問されれば”というのは、“興味がありそうだ”という前提なくして、日本の紹介などできないからである。
日本に住んでいる外国人でさえ様々な事情がある。
“親日家”と決め込んで、やたらに食べさせたり飲ませたり着せたりするのは、見ていてハラハラする。
なんらかの嫌悪感を抑えて接してくれている可能性もある。
その姿勢は尊重されるべきであり、それを突破口に嫌悪が払拭されるチャンスである。
にもかかわらずそれに甘えて、「日本は」「日本は」と攻め込めば、逆なで以外の何者でもない。
“若い”人が異文化に遭遇すると、ついどっちがいいとか悪いとか言いたくなるのはわかる。
そうやって足元を見つめ直す機会が与えられるので、そういう段階はあってもいい。
でも実はその比較自体に意味がない。
せいぜい個人の好みの問題。