深夜にリビングでひとり勉強していたら、Aがやってきた。
眠れないらしい。
卒業まであと2ヶ月のAは、今学期1クラスしか取っていない。
このたった1クラスが手ごわいらしく、今日は全然発言できなかったと言って凹んでいた。
韓国人小学生の通訳ボランティアを始めてから、「子どもの方が英語が上手」と言って、凹みがちだった。
私もK州ではまったことがある。
英語のふたが開かなくなってしまうのだ。
Aの悩みは英語だけの問題じゃなく、“自分の意見がない”ということらしい。
「emiはいつも意見がある。どうしたらそうなれる?」と言う。
ふむ。
たぶんAはアメリカ好きで、私はそうじゃないからだよ、と言ってみた。
30分ほど話したらちょっと気が晴れたらしく、「ハーブティでも入れようか?」と言うのも断って、部屋に戻っていった。