渡米にあたり、予防接種の記録が必要になった。
医者ギライで、なるべく市販薬で治したい派としては、かかりつけもないに等しいが、まずはいちばん多く行ったことのある近所のKクリニックへ。
ここでは過去に何度か和文の診断書を作成してもらっており、英文についても「書式を指定してもらえれば対応します」と聞いていた。
で、午前の最終を狙い、母子手帳持参で来院。
待合室で母子手帳をパラパラめくる。
改めてありがたきかな母の愛。
当時の母が今の私より若いのが、とても不思議。
診察室に入り事情を説明。
指定用紙を渡して、ではお願いします、と立ち去ろうとした。
が。
「ん~できないことはないんですけどね…」
早い話、得意でないとのこと。
K先生、正直者はいいことだが、話が違うのは困る。
「どうしてもというなら調べながらやってもいいんですがね…」
歯切れが悪い。
内容としては母子手帳の転記だろうから、和訳の付箋でもつけて来ればよかったが、かえって失礼だと思って控えたのに。
食い下がってはみたものの、ここは家族もお世話になっているクリニック。
印象が悪くなるのもよくないので、「ここならささっと書いてくれるよ」と紹介された“旅券センター”に聞いてみることにした。
104で教えてもらった電話番号はまさにパスポート発行の問い合わせ先で、同じビルに病院はあるが、特に提携しているというものではないらしい。
で、その病院へ架け直し。
「うちで接種したものですか?」
いえ、大半は保健所です。
「ではうちでは出せません。保健所へ」。
え?
保健所に電話。
転送、転送で担当者に到着。
「母子手帳の内容を記録として出すことはできますが、指定用紙への記入はできません。基本的には医師に依頼してください。M病院などが詳しいかもしれません」。
とりあえずここまでの経過をKクリニックへ連絡。
「え~書けないって?おかしいなぁ。接種した病院じゃないって言うなら、うちだってそうだもんなぁ」
でもダメだそうなのでお願いします。
「なんでダメなのかなぁ。…まぁそういうことならうちで書きますか」
ぜひともお願いいたします。
やや強引だがいちおう承諾をいただく。
物はついでなので、保健所で名前が挙がったM病院にも聞いてみよう。
再び104。
「うちで打った予防接種ですか?」
やっぱりか。
保健所とすでに廃業した小児科です。
「そうですか…お待ちください」
ここでも転送、転送で、“予防接種センター”につながった。
「どこの国へ行くの?」
そういえばこんな重要そうな質問を、ここにきて初めて聞かれたことに気づく。
「年齢は?」
それもそうだ。
即座に追加の予防接種の説明をされた。
血液検査も必要だそうだ。
出国予定を告げると、通常の手続きでは到底間に合わないとのこと。
これだからギリギリにしか動けない体質は。
「今日3時までに来られますか?」
Mちゃんとの約束は変更してもらおう。
「3時までに採血できれば、出国前日に間に合わせましょう」。
涙が出るほど頼もしい。
このプロフェッショナルな医師M先生は外見は温厚なおじさま風だが、仕事は実にてきぱきとしていて、感動的だった。
説明は簡潔でわかりやすく、素人目にもこの件に関して精通していらっしゃるのがわかる。
さらに大変親切で、電話・FAX・メールアドレスを教えてくださった。
書類を受け取るまで、最低あと3回はM病院に行くことになった。
でもこの医者ギライにしては奇跡的なことに、全然イヤじゃない。
やっぱりでてきたか、追加接種。証明書も慣れてりゃやるだけだけど、手間だけの仕事だから敬遠されるのかな。私も遠い記憶では、旅券センター隣接のお医者さんで予防接種して、ついでに母子手帳記載の分も含めて証明書を作ってもらった気がする。
ま、よい先生と、やさしい先生がいてよかったね。
>acha
よい先生にめぐりあえて感謝してます。
火曜日の予防接種センターは連休明けのためか50人待ちでなんと4時間半待たされました。そして診察室にいたのは1分ほど(急遽予定変更になったSちゃん、Nさんゴメンナサイ!!!)。
準備は早め早めが大事よね~…。