ステンドグラス

Mainzで見た、ステンドグラスのこと。

St. Stephen’s Churchのステンドグラス(参照)はとても有名だったようだけど、私はまったく知らなかった。
ドイツに着く前日まで、教会の存在すら知らなかった。
なにしろ本当は旅に出てる場合じゃない中での旅だったし、到着後も街を散策する時間的・体力的余裕があるかどうかわからなかったから。

で、まぁいわば瓢箪から駒的に見ることができちゃったわけだけど、それがあまりに美しかったので、帰ってきてから後づけで情報を検索してみた。
そして背景や逸話などを読み、さらに興味が増すことになった。

このステンドグラスが有名な理由は、シャガールのデザインであるというところが大きいようだ。
日本語の旅日記などを見ると、「さすがシャガール」とうっとりしている人が多い。
聖書に出てくる物語を描いてるんだってさ。

そうとは知らない私は、中央の比較的カラフルな物語調のものはチラッと見た程度で、教会にいた時間のほとんどは両脇の青のグラデーションの窓をひたすら見上げて過ごしていた。
なによりも、パイプオルガンに映る神秘的な青が好みだった。

ステンドグラスの作者名を聞いたとき、「シャガール」とは聞こえなかった。
あんまり印象に残らない名前だった。
いくら私がステンドグラス作家に詳しくないとはいえ、また、たとえばドイツ語発音だったとしても、「シャガール」ならピンと来るはず。

調べてみると、私がじっと見上げていた方のステンドグラスを手掛けたのはCharles Marqだということがわかった。(参照1 参照2 参照3
「Marc Chagall + Charles Marq」って、なんちゅうコンビじゃ。
…と思ったら、やっぱりそこをツッコんでる人がいた(参照)。
日本人だったら、「マルオ シゲハル + シゲハラ マルホ」ってなとこかしらね。

Charles Marqについては、日本語はもちろん、英語でも情報がほとんど見つからない。
それだけに、1999年のニューヨーク・タイムズの記事(参照)は貴重で、ジャーナリズムっていいもんだと思わされる。

1976年に90歳で着手し、完成を望んで28年来の友人であり助手であるMarqに仕事を伝えたChagall。
Chagallの遺志を継ぎ、師匠の死後15年が経過して完成までこぎつけたMarq。
Chagallの、世界に向けて宗教的政治的メッセージを強く放つ作品と、それを際だたせるためにあえて抑えた(deliberately less ornate) Marqの演出。
二人の芸術家の物語はとっても素敵。

そこまで知って、改めてあの青い空間を思い出す。
それで私はあっちの方が好きだったんだなぁ。
じっくり見てきてよかった。

旅は予習が大事だけど、たまにはこういうパターンもアリだな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。