2nd Presidential Debate

第2回ディベートを見ている。
まだ始まったばっかりなんだけどさ。

「聞かれたことに答えない」というのは、私が知る限り、アメリカでは尊敬されない態度である。
一般人からの質問にその場で反応するという趣旨に反してこれまでに繰り返してきた持論を繰り返したり、質問の内容と関係のない別件を持ち出したり、モデレータの「YesかNoか」の質問になかなか答えないというのは、私の知る限り、アメリカ人の好むやり方ではない。

でもこの感じで、彼がここまで勝ち進んできているのは事実。
時代が変わったのか、何かの間違いだったのか。
その答えはあと1ヶ月のうちに出る。

それはともかく。
この、聞かれたことになかなか答えない、別のことを持ち出して答えたかのように取り繕う、なんとなく内容をすり替えるというのは、私の知る限り、日本ではそう珍しくない手法である。
奇しくも政治家という文脈なので、日本の政治家だと思って彼の答え方を見ると、まぁ普通というか、伝統的というか。
“教科書どおり”とも言えるかもしれない。
あら、ひょっとしてこの大統領候補には日本で政治家修行をした経験でもあるのかしら。

でもこれって政治家だけでもないんだよね。
政治家の話し方に影響を受けているとは考えにくい、日本の、なんというかごく一般的な大学生の英語での会話を聞いていても、この「なかなか答えない」「ちょっと違うことを持ち出して答えたかのようにやり過ごす」「いつの間にか別の話に変わってる」というのはしょっちゅう現れる。

これに対する私の解釈は、①誤解:質問を聞き間違えた、②保留:質問を理解するために時間稼ぎが必要だった、③忖度:答えが相手にとって好ましくないということを察し、即答や明言を避けた、④回避:答えたくないことを答えないための方策をとった、などが可能性として考えられ、それぞれがどのアクションに該当するかは、その前後や会話全体を詳しく見てみないと判断できない、というもの。
たとえば①や②は英語に関わるところで、③は文化的なもの、④はコミュニケーション上、正当なこと。

で、①②③は、英語で会話する者として修正・改良すべきものだと思うので、そこに教育の出る幕が発生するだろう、というのが私の考えである。

注意すべきは、全部が全部「要修正」ではないという点。④のようなコミュニケーション的に正当な方策は、英語の力が不十分なうちはその選択をする余裕がない場合が多いので、むしろ英語の使い手を育てるいう意味では目標ともなり得るものである。

①②③はなんとかしたい。
④はたまに、効果的に、ちゃんと使えているなら大したもんなので、褒めてあげたい。
ひとくちに「なかなか答えない」「まっすぐ答えない」といっても、中身は複雑なものなのだ。

ただねぇ。
もしアメリカという英語ネイティブの大国、かつ、現状で日本の英語教育に最大の影響を与えている国のトップがこれをやる、それがまかり通る、国民の支持を得るということになると、もう英語の話でも、文化の話でもなくなっちゃうじゃんね。
Griceもびっくりよ。(参照

時代が変わったのか、何かの間違いなのか。
見守ろう。

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