Enthusiastic

今学期初の、師匠とのミーティング。

夏の終わりにモヤモヤするのは、新しい学年が始まるせいだと思っていた。
違った。
師匠からメールが来て、ミーティングの日時が決まって、自分がホッとしていることがわかり、「あぁ、これが怖かったのか」と気づいた。
モヤモヤが一挙に晴れ、それまでとはまるで違う日々が始まった。

腑抜けたまま一日が過ぎたり、気が散って作業がちっとも進まなかったり、ほんの数分で猛烈な疲れに襲われてしまっていたのはすべてウソのよう。
集中力を高い状態で保ち、食事などの時間が惜しいほど作業に入り込み、気がついたら8時間や10時間があっという間に過ぎていた。
データを見ても聞いても、なーんにも思いつかなくて、絶望しながらフォルダを閉じるという日々も、ウソのよう。
キッチンやバスルームにいても“ネタ”を思いつき、書いとかないと忘れちゃうから急いで画面に向かう。
これ、「ずいぶん昔にそんな経験をしたことがあったような気もするけどよく覚えていないし、どっちみちもう二度とそんなふうにはならないんだろう」という、忘れかけた“過去の栄光”だと思ってたのに。
いとも簡単に復活したね。
時期的にちょうど涼しくなっていたので、それも助けになった。

とはいえ。
ちょっとばかり頑張ったところで、急に完成するもんじゃなし。
いや、別に師匠も完成させてると思ってるわけがないし、私もそんな夢みたいなことは望んでないからいいんだけどさ。
締切の日、発狂しそうになりながら書いた穴ぼこだらけの不完全な下書きの一部を、「もう知らない。えいっ」と送信。

そしてミーティングへ。
こういうとき、徒歩通学だったら「足取りが重い」って言えるんだろうけどさ。
どんなに気が進まなくても、つま先をアクセルペダルにのせるだけで順調にキャンパスへ向かってしまう車通学の辛さったらないよ。
「あんだけ時間あって、こんなしょーもないもんしか書けへんって、どないなってんねん。もうクビや。とっとと荷物まとめて日本へ帰れ」って言われるのかなぁ。
はぁぁ。

と思ったら、違った。
考えてみたら、うちの師匠は関西弁じゃなかった。

もちろん大量のダメ出しと、大量の課題と、気が遠くなりそうな今後のスケジュールを言い渡されたので、楽になったわけでは決してない。
でも、まぁ悪い内容ではなかった。

今回のミーティングにあたり、師匠は私が自分で読んでもツッコミどころが満載の、あのとっ散らかった下書きに2回も目を通したそうだ。
忙しいんだから、そんなに細かく読んでくれなくてもよかったのに。
それにしても、他人の研究なのに、よくそんなに次々といろんな提案を思いつくよね。
そんなにいろいろ言うなよ、勘弁してくれよ、もういいじゃん、私には無理だよ、と思う。
「キミの論文は、普通のものよりずっと長くなるだろうが、それは構わない」って、いやいや、私が構うよ。
はぁぁ。

「私がキミのこの研究に、なぜこうもenthusiastic なのかわかるか」と言われた。
そこから、師匠は私に期待していることを懇懇と説明した。
師匠の考えを聞き、超ネガティブ思考で自信ゼロでお馴染みの私も、さすがにちょっと前向きになる。
「ただし、残念な知らせは、そのためにはキミが本当に真剣に、熱心に頑張らないといけないということだ」。
うーん。
感動していいのか、喜んでいいのか、怯えていいのか、わからない。
とりあえず感謝しておこう。

オフィスを出るときにも、「もし次のミーティングの予定を早めたくなったらいつでも連絡しろ。途中で訳がわからなくなったらメールしてこい」と言われた。
師匠と出会って以来、今日ほど師匠が優しかったことはない。
どうしたどうした? てか、私、そんなにやばいのかしら…と、思わないわけでもないけど。
とりあえず感謝しておこう。

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