日本人の英語と笑い

日本人が英語を使う場面での笑いについて。

ある会の中で、「開会行事」というものに出席したところ、うっかり事実上最前列のど真ん中を陣取ってしまった(参照)。
いや、この私と演壇の間にまっすぐの空席がある“モーゼ状態”の居たたまれなさは、本当の最前列では味わえない。
顔を上げている限り、前に並ぶ人たちのうちの誰かと常に目があっているような気がするし、顔を下げているとそれはそれで悪目立ちしそうな気配。
んもー、なんてこと。
しょうがないので、なるべく気にしないことにして、努めて正面を向く。

会はアメリカだったら「Convention」と呼ばれるものに似ていたので、「開会行事」は 「Opening ceremony」に当たるのだろうなと思っていた
…が。
様子がずいぶん違うぞ。
礼服のご来賓がズラリ。いろんな組織の長の方々。
ご指名→三方礼→登壇。
おぉぉ、思ったより、なんというか、なんだかすごく日本的な、厳かな式典なのね。

そして、日本式演説調の張りのある声で開会のお言葉。
「れいでぃーす、あーんど、じぇんとるめん」

えぇぇぇぇ。
それはあかん。反則。
基本中の基本、緊張と緩和。
♪デデーン「XX、アウトー」

と思いきや、誰も笑ってない。
会場はいたって厳かなまま。
えぇぇぇぇぇ。
うそーん。

その後もご指名→三方礼→登壇からの、英語挨拶が続く。
あかんあかん。
高低差、ハンパない。
全員、真顔。
式典は粛々と進む。
“モーゼ状態”の、演壇から一直線のその先にいる私は必死に笑いをこらえる。

この会場にいる人で、日本語がわからない人は1人もいないでしょ。
急に英語にする理由は何?
この超日本流の様式と英語のミスマッチ、違和感ありまくりでしょ。
目的は笑わせる以外にないでしょ。

来賓挨拶に移り、日本語に切り替わったので「もう大丈夫。乗り切った」と思った。
ふー。
と、その途端、シメの一言。
「本日は誠におめでとうございました!」
万歳三唱しそうな勢い。
油断していただけに、不意を突かれた。
おめでたかないでしょ。ボケたんでしょ。で、スベったんでしょ。
でも、全員、真顔。
自分ら、ズルいわぁ。

私はこらえぬき、ドアの向こうに控えているに違いないお仕置き係を登場させることなく式典を乗り切った。
てか、さぁ。
よく皆さん、平然としていられるね。
絶対に仕込みでしょ。
これまたどっかに隠しカメラが設置されてんでしょ。
あり得ない。

「Convention」の「Opening ceremony」という私の勝手な予想がいけなかったんだな。
急にこんな濃い日本流の、千本ノックみたいな目に遭うとは思ってもみなかった。

名前だけを欧米に似せて、中身が大違いなために、本人たちの知らないところでギャップができちゃってるパターン。
大真面目にやればやるほどおもしろくなっちゃう。
場面設定が英語教育なだけに、パロディ感が強い。
日本の英語ガラパゴス化の製造工程を垣間見たような気もする。

そして、こんなおもしろい場面で1ミリも笑いが起きないのに、たとえば発表を聞く段になると「え、そこ?」というところで笑いが起きたりする。
使用言語が英語だからなのか、日本語でも同じことが起きるのかはわからない。
中には私の好まないタイプの笑いもあって、ひそかにドン引きしたり、不快感を覚えたりする場面もあった。

うーむ。
ま、ツボが違うんだろうな。
私がズレてんでしょうな。

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