セリフ

ドラマとか映画とか、セリフものが苦手。

オペラやミュージカルみたいに、もう会話も何もあったもんじゃない、というような、思いっきり別ジャンルに行っちゃうか、あるいはSitcom やコントみたいに、あからさまに作りこんで、練りに練って、芸術的とも言えるような言葉の掛け合いで、楽しませてくれるならいいんだけど。

ドラマや映画のように、普通の会話に見せた作り物の会話は、気になることが多すぎて、ツッコミどころが多すぎて、聞いてらんないのだ。

同じ理由で、リハーサルを重ねて丸暗記したようなセリフっぽいスピーチや講演も苦手。
がんばったんだね、とは思うけど、人工的なニオイが気になって内容が入ってこない。

これは職業病。
まったく展開の読めないリアルな会話を、毎日シャワーのように浴びまくっているせいだ。
以前はドラマも映画も問題なく見てたのに。
会話の研究をするようになって発症し、悪化の一途をたどっている。

役者じゃない本人が、台本のない本物の会話をするというリアルならではの緊張感、ゾクゾクするような刺激、とれたてピチピチの新鮮さ、意外性、ジレンマ、ヤラセなしのグダグダ感、自由さ、おもしろさ。
その贅沢がすっかり当たり前になっているから、私はいわば不都合なほど舌が肥えてしまっているというか、味覚障害状態なのだろう。
計画どおり、練習どおり、予定どおりの人工的な言葉のやりとりでは、もう何の味も感じられないのだ。

毎食ジビエを食べている人に、豆腐ハンバーグを出すようなもんかしら。
違うかしら。
どうかしら。

生身の人間の、タネもしかけもない会話ってのは、そのくらい魅惑的なわけよ。
伝わるかなぁ。

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