"Second Paper"

あるところでこんな文を見つけた。
「There were lots of “Second Papers”(二枚目)in the band.」

「”Second Papers”(二枚目)」だよ?
目がテンになったあと、じんわり感動を覚えた。
くゎー。
これぞ“感覚派”の粋。

前後の英語はとても上手だし、英語を使い慣れた風なので、おそらく発信者は日常的に不自由なく英語を使っていて、もちろん「二枚目」も英語で表現できる。
にもかかわらず、わざとこういう“日本語ギャグ”を放り込んでくる。
発信者の周りにはカタコトの日本語ができるアメリカ人がたくさんいそうだなと想像する。
だって、日本語学習者にいかにもウケそうな表現だもん。
彼らはすぐに覚えて”Oh, he is such a second paper!” とか「私はニマイメです」 とか言いたがりそう。

この外国人的な日本語感覚で言葉遊びができるあたり、発信者は英語母語話者との付き合いが多く、遊び心やサービス精神が旺盛で、努力家なのだろうと思う。
ひょっとしたらアメリカで育った人かもしれないが、全体の文章を見る限り、母語は日本語で、後に第二言語として英語を習得したと思われるので、英語教育的には「大変よくがんばりました」である。
“感覚派”の英語上級者なのである。

たった1文を手がかりに、だいたいのプロファイリングができてしまう。
年代や性別もわかるよね。
これも“感覚派”の特徴だろう。
いろんなものが、溢れ出ちゃってるのよね。

言語系の人なら形容詞にしてしまいそうな「二枚目」を、”Second Papers” と、あえて名詞にしてくる。
それもなぜか固有名詞っぽい。
でもきっと深い意味はないのだろう。
サラッと、「そこまで考えてない」と言われそう。
いやぁ、実におもしろい。

もしこの人が、ここ以外でも”Second Paper”という表現を使っていたら、その仲間に”Third Paper”がいることも紹介済みだろうな。
で、「ただし“First”や”Forth”以降は存在しない」ときっぱり言い切っていそうだな。
その理由を問われれば「知らない」。
なんといっても大胆不敵な“感覚派”だもん。

圧巻は「枚」から”Paper”への迷いのない跳躍。
言葉の意味が気になるタイプの人にはできない発想だし、たとえ思いついても、大技すぎて使えない。
お見事。

こうやって語彙は豊かになってきたんだろうなぁ。
彼ら“感覚派”がいなかったら、たとえば地名や動植物の名前は今頃どうなっていたんだろうとよく思う。
言語の世界の繁栄に、“感覚派”は欠かせないのだ。
素晴らしい。

この感動を理解できるあなたは、残念ながら“感覚派”じゃありません。
勝ち目はないけど、私たちは私たちで、支えあって、慰めあって、細々と生きていきましょうね。

無粋を承知で、いちおう立場上、以下に資料を貼っておく。
今回はおもしろいからいいけど、ホンマはあかんねんで。

ウィキペディア「二枚目」
語源由来辞典「二枚目」
日本語俗語辞書「二枚目」

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