窓辺

最近、うちの窓辺によく鳥がとまる。

うちのアパートは公園の中に建っているようなものなので、いろんな鳥をしょっちゅう、たくさん見かける。
うちの母のような鳥好き人にとってはちょっとしたテーマパークのようでもあるらしい。
私は興味がないし、どちらかというと怖いので、あんまり価値を感じない。

うちのアパートは来客が感心するほど静か。
部屋にいて聞こえてくる音といえば、まぁ人の話し声もあるし、たまにはリスも鳴くし、季節柄、芝生刈り機やアイスクリーム・トラックの音楽もあるけど、いちばん多いのは鳥の声。
夜明け前から少しずつ声が聞こえるようになり、昼間は遠くでピーチクパーチク。
夕方は群れとか大型の鳥の声が空の高いところから聞こえてくる。

そんな中、ここ1ヶ月ぐらい、窓辺にとまる鳥たちがいる。
赤いのや、茶色いのや。
あるときは、寝室のブラインドを上げたらそこに。
あるときは、調理中に。
あるときは、突然キッチンじゅうに鳴き声が響き渡り。

あのねぇ。
あなたたちもビックリするかもしれないけど、こっちの方がよっぽどビックリするのよ。
で、ブワッと飛ぶじゃない?
あれでさらにビックリするのよ。

特に、キッチンの窓辺で鳴いた、あなた。
私はそのときリビングにいたけど、部屋の中へ入ってきたのかと思っちゃったじゃないの。
あなたね、自分の声がどれだけ通るか、わかってないでしょ。
何の事情があって鳴いたか知らないけど、こっちは普段ほぼ無音で暮らしてるんだから、急に大音量を出されたらビックリするでしょ。

だいたい、こんな広い、木がいくらでもある庭で、なんでレンガの厚み分しかない狭い窓辺にとまるのよ。
窓が好きだとしても、集合住宅なんだから、他の、もっとかわいがってくれる人の家に行きなさいよ。

最近はさすがに私も少し慣れてきて、朝、目が覚めて、窓辺でつがいがおしゃべりしてる風だったらブラインドを上げないでおく、ぐらいの配慮はできるようになった。
ったく。気を遣わせるんじゃないよ。

まぁそりゃ、あなたたちの方が私より前からここに住んでるんでしょうし。
私は所詮ガイジンで賃貸だから、あなたたちのやり方に私が沿うのが理に適ってるんでしょう。
わかったよ。

でっかい国の、広い場所で暮らしていると、人間はその一角を、一時的にちょっと借りてるだけの身分だということを思い出しやすい。
おかげで、自然や動物に興味がない私もあんまり傲慢にならずに済む。
ありがたいことだ。

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