マイナス思考

マイナス思考って、こういうこと。

先日、私の研究の一部を発表したときのこと。
オーディエンスは言語教育系の研究者で、顔見知りも何人か混ざっていたが、私の研究について詳しく知っているのは師匠のみ。
他は全員、私が具体的に何をやっているのか知らない人たち。
彼らに対しては初披露の場となった。

この会は翌月のより重要な発表のための予行演習を兼ねて“身内”を相手に試し打ちをしつつ、改善点を洗い出し、フィードバックをたっぷりもらうことを目的として師匠が設定したもの。
その日の発表者3人のうち、私の出番は最初だった。

発表が終わり、拍手が止み、質問やコメントを受ける段になった。
私はペンを手にとり、オーディエンスの反応に備える。
が、しばらく沈黙があった。
で、師匠がコメントを出し、私が応え、それをきっかけに別の教授から2-3の質問が出たが、まぁ問題なく答えられる内容だったのでサラッと済んだ。
「他にはないですか?ではもういいですね?」という感じで、私の持ち時間は終わった。
今日のオーディエンスは静かなタイプなのかなと思った。

ところが、次の発表では、発表部分が終わるや否や挙手がバババ。
教授はもちろん、学生たちも遠慮なく発言する。
活発な質疑応答が「そろそろ時間ですので」で遮られて終わった。
さらにそのまた次の発表は、“炎上”に至るほどヒートアップした。

はぁぁ。
オーディエンスは静かなどではなかった。
私の研究に、誰も興味を示さなかったのだ。
つまらなくなって途中で聞くのをやめたのかもしれない。
説明が下手すぎて何も伝わらなかったのかもしれない。
ま、だとしてもしょうがない。
私のやることなんて、そんなもんさ。

帰り際に声をかけられたり、その日の夜以降メールをもらったりして、オーディエンスの感想が届いた。
それでようやく、私の発表を聞いていた人がいたことがわかった。
「良かったよ」的なことも言ってもらった。
私のだけ静かな感じになっちゃったから、みんな気を遣ってくれてるのかな。
ありがたいね。

1週間後、別のイベントでまた研究者の集まりがあった。
初対面の人が多く、お互いに「どんな研究を?」と尋ねあったりしている中、J がやってきた。
J とは以前から顔見知りだが、これまでほぼ話したことがなく、先日の発表でもオーディエンスにいたかどうかはっきりしないぐらいだった。

他の人に聞かれ、私が「会話分析というのをやってまして…」と言うと、J が「すごくおもしろい研究なんですよ」と入ってきた。
「この前、彼女の発表を見たんですけどね」
そこにいた人たちはすんなり受け入れてたけど、私は驚いた。

えぇぇ。そうなの?
発表の後、イヤ~な沈黙があったし、質問も教授方が申し訳程度にしてくれただけだったから、私はてっきり誰の興味も引かなかったんだと思ってたよ。
すると今度はJ の方が驚いて、「えぇぇ。まさかそんなふうに思ってたとは。ごめんごめん。もっと早く言ってあげればよかったね」

その翌日、オーディエンスにいた人と初めて食事に行く機会があったので、J との一件を話した。
すると彼女も驚いて、「J の言うとおりに決まってるじゃない。あれをネガティブに思ってたなんて、信じられない」。

皆さん、私がどれだけマイナス思考か、わかってないね。
あの状況のどこをどう読んだらポジティブに解釈できるのか。
親切な友人たちに解説してもらってようやく少しだけ「なるほど。別の解釈も可能かも」と思えるようになった。
あの発表以降、いろんなお誘いが増えたのも、そういうことだったのかもしれない。

というわけで、ひとまず今回の発表は、私が思ったほど悪くはなかったらしい。
それはよかった。
でもこれはきっと良くない兆し。
私はそれで気をよくして、慢心して、次は大失敗するのだろう。
はぁぁ。

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