『マーケット感覚を身につけよう』

『マーケット感覚を身につけよう:「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』を読んだ。

私はマーケティングをやらないタイプだが、やらないのと知らないのは別の話。
「マーケット感覚」なるものが今の世の中で多くの人に必要とされているらしいことは知っている。
また、私の人生からマーケティングを完全に排除することはたぶん不可能で、「やらない」と言ってもそれは「積極的でない」ということにしかならないのだろうという気もしている。

マーケティングをやらない私(本人談)には、「月間200万ページビュー」(参照)というのがどういうものなのかわからないが、著者ちきりん氏のブログがたくさんの人に読まれていることは知っている。
私も時々読んでいる。

これまでメインのブログその他からちきりん氏の書いたものを読み、私は特に感想を持ったことがなかった。
もちろん部分的には共感できるところがあるし、さすが多くの支持を集める書き手という力も感じるし、学ぶべきところもある。
ただ、まぁいかんせん畑違いなせいもあって、そこに書かれていることが私に作用するということはないのだった。
つまらないわけではないけど、欠かさず読もうと思うほどでもない。
世相を反映した情報収集という目的で、付かず離れずならわかるけど、心を動かされるという類のものではないと思う。

そうは言っても、ブログにアクセスするのを止めるわけでもないので、私もしっかり「ページビュー」に貢献しているのである。
こういう非熱狂的な、ファンとも呼べない人にある程度の興味を保たせ、離れるという積極的な行動をとらせず、なんとなく読み続けさせているというのはすごいことだと思う。

たとえば今回の新著発売についての記事(参照)もそうだった。
消費者心理や、書店や出版社との関係性や、営業ツールや、その他、私の知らない技が散りばめられていそうな気配があり、この記事自体が啓蒙的要素を持っていることもわかるが、私には特に作用しなかった。
多くの人に作用するものが、私には作用しない。
それは、よくあること。
その理由を探りたいとも思わないが、ひょっとしたら「マーケティング感覚」にヒントがあるかもしれない。
それで、サンプルをダウンロードし、「はじめに」を読み、目次に目を通してみたが、ピンと来なかった。
ちきりん氏がおっしゃるとおり、私は「「そうだよね」とか「知ってるよ」だと買う気になれない」。
でも、マーケティング素人のくせに、私は何をもってそう感じるのか。
その反応が正しいかどうか検証することについては興味がわいた。

レビューしている人たちのどこに何がどう響いたのか、それも何となく想像がつくのだけど、念のため確認してみてもいいかもしれない。
何より、ブログ記事という姿をした”販売員”が笑っちゃうほど熱心なので、「わかったよ。今回だけね」と根負けしたところもある。
私は情で売ることは一切ないけど、情で買うことはたまにする。

支払いを済ませたとき、大きな声で「ありがとうございました!」と言われたような気がした。
私がちきりん氏のブログからこの本の情報を得て、アマゾンでレビューを読んでから購入に踏み切ったことや、どのクレジットカードを使い、世界のどこに位置するどの端末に落とし、最終的にどのくらいの時間をかけて読んだとか、そういうデータを提供することにもなってんでしょうな。

で、読んでみた。
うーむ。
やっぱり特に感想はない。
英語とか大学院とか留学とか教育とか、インターネットとか価値とか変化とか選択とか、身近な話題はたくさんあったんだけどね。

それでも、買う気のなかった私がこの本を買い、読む気のなかった私が読んだというのは紛れもない事実。
こうして感想のない読書感想文を勝手に書き残すことまでしているのである。
対価という意味でも、後悔するほど大きな損をしたとは感じない。
検証のための必要経費だったんだろうね。

今後、彼女の他の著書を買うことはないだろう。
…と今は思うけど、それもわからない。
すべてはちきりん氏の抜群の「マーケット感覚」のなせる業。
すごいことだと思う。

ちきりん. (2015). マーケット感覚を身につけよう:「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法(電子版). ダイヤモンド社.

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