相づちの世界は奥が深い

前回に続き、相づちについて考えます。
今回は「それぞれの相づちが持つ意味について」です。

「Yeah」や「Uh huh」のような短い言葉にもちゃんと意味があります。
ほかの言葉同様、それを使うということは、相手に意味を伝え、意思表示をすることになります。
こうした短い相づちの意味や使われ方、効果などについては、コミュニケーション学の会話分析という分野でよく研究されています。
通常、母語話者はこれらの相づちについて見解が一致していますが、異文化間のコミュニケーションでは、その意味や意図にズレが生じ、意思疎通の妨げになる場合があります。

たとえば、日本人がよく使う「Mm hm (ンーフ)」という相づち。
これは日本語の「ふーん」や「うんうん」の代わりに使われることが多いようです。
時にはイントネーションを変えて、「え?何?」や「なるほどね」の代わりになっていることもあるようです。
様々な意味に使える便利な相づちと思われているのかもしれません。

では、それを言われた相手はどう感じているでしょうか。
コミュニケーション学で「Mm hm」は「Continuer (続けさせるもの)」と呼ばれ、受身の姿勢を保つシグナルとされています。
相手に話を続けさせ、自分は聞き手に徹するという意思表示です。
もちろん、会話において聞き手の存在は重要ですし、相手の邪魔をせず場を譲ることも大切です。
ある程度の興味を示していることも伝わります。
しかし、話し手と聞き手の役割が固定されてしまうと、話し手はだんだん話しにくくなってきます。
私が行った研究では、日本人の「Mm hm」に対して、アメリカ人は比較的早く「そっちはどう?」というように役割の交代を試みる傾向がありました。
アジア人は「Mm hm」が続く限り話し手の役割を続ける傾向が見られましたが、それでもやはり自分ばかり話していることに不快感を覚える人もいました。
「Mm hm」には賛成・反対などの意見も、好き嫌いや良し悪しなどの評価も含まれていないため、会話は発展しにくいのです。
そんな中、「続けて」と言われても困ってしまいますよね。

タイミング、頻度、内容について考えてみると、相づちの世界は奥が深いということがわかります。
「自分はどんな相づちを打っているのだろう?」と興味がわいたら、まずは会話を録音して聞いてみましょう。

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