Redundancy

日系の航空会社は言葉が多いなぁ。

まずパッと見で、日本語と英語の両方が書いてあるので、日本語キーボードを見たときと同じような、狭いところに文字が密集している感じがする。

そして日本語訳が長い。
日本語の方が短い例は「RICE CRACKER」が「おつまみ」になってるぐらい。
あとは日本語の方が断然長い。
「FOR ATTENDANT USE」は「ここは使用できません」。
「TEAR OFF TO OPEN」は「ミシン目にそってお切りください」。
「CONTENTS HOT」は「ホットドリンクの場合、非常に熱いのでご注意ください」。
「FASTEN SEAT BELT WHILE SEATED」は「ご着席中は座席ベルトをお締めください」。
「WATERPROOF DISPOSABLE BAG」に至っては「ご気分の悪いときに、ご利用ください。防水加工済み」。

長い。
…と思って上記5例を、たとえば文字数で比較すると、
英語:日本語 = 87:89
アルファベット:ひらがな = 87:108
あれ、実はあんまり差はないのか。
でも印象としては、日本語の方が長い。
「もっと短く言えるのに、わざわざ長くしている」、あるいは、「そこまで言わなくていいことまで言ってる」ってことかな。

話し言葉も“長い”。
たとえば食事の前後には、こんな言葉が一人ひとりに向かって発せられる。
「お待たせいたしました」
「本日のメニューでございます」
「こちらか、こちらからお選びください」
「お決まりでしょうか」
「お飲み物はいかがいたしましょうか」
「かしこまりました」
「お作りしてお持ちいたします」
「お下げしてもよろしいでしょうか」
「お飲み物のおかわりはいかがでしょうか」

トレイを下げてもらうときに「ごちそうさまでした」と言ったら、「お口に合いましたでしょうか」と言われて返事に困ってしまった。

これに対しては、いろんな感想が可能なんだろうね。
代表格は「親切で礼儀正しい」かな。
ネガティブ版としては「日本の面倒くさい客の影響」「客を甘やかす」「手間がかかる」「卑屈」「過剰サービス」「バカ丁寧」「遅い」など。
言語教育的には、「英語母語話者が日本語を学習する場合、この飾りがいっぱい付いたような表現をもれなく聞き取り、使えるようになるのは大変だな」
「日本語母語話者が英語を学習する場合、飾りなしの簡潔な表現は物足りなかったり無礼な気がしたりして、使うときにちょっと勇気が要るんだろうな」。

だから日本には「駐車禁止」を英訳したつもりの「Don’t no parking, please」なんて注意書きが存在する。
昔は「定休日」で事足りていた看板が、「申し訳ございません 本日は定休日です またのお越しをお待ちしております」になっている。

日本の仕事の効率化や労働時間、残業の問題も、結局はこういう、無駄な飾りがふんだんに付いているのに慣れすぎて、さらに飾りを増やそうとする傾向と関係しているような気がする。
テキパキ迅速にやって、パパッと終わっても、寂しいやらモヤモヤするやら。
感情重視の文化では、仕事は片づいても、気持ちが置き去りなら、ぜんぜん良いことじゃないのかもしれない。

にもかかわらず、グローバル化なんですってよ。
大変ね。

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