おばあちゃん

飛行機で隣に座ったおばあちゃんたちのこと。

私が搭乗したとき、おばあちゃんはすでに席についていた。
3人掛けの窓側と真ん中の席に、同い年ぐらいの、体型や雰囲気のよく似た白人女性が2人。
挨拶をして、私が通路側に座るとわかると、いちおう窓側に寄る素振りを見せてくれた。
なにしろそれぞれが座席1.1-1.2人分ぐらいの横幅なので、私に残された座席の幅は3割引となっている。
「細い人でよかったわ」と言われたので、「でも料金はFull price でしたよ」と言うと、2人が笑うのは、まぁ予想の範囲内だが、なぜか通路を挟んだ反対側からも笑い声が聞こえてきた。

それで振り返るとそこにもよく似たおばあちゃんが2人。
どうやら仲良し4人組の真ん中に入れられた模様。
年齢は、わからないけど、70歳ぐらいかなぁ。
4人ともアメリカ人女性のド定番、Vera Bradley(参照)のバッグを持っている。
以下、それぞれのテーマカラーで呼ぶ。

窓側のグレーのおばあちゃんはiPadでトランプのゲームをやっていた。
私の隣のブルーのおばあちゃんも「私もそれやってみる」と言って自分のiPadを出した。
グレーのおばあちゃんがやり方を教え、2回ほどやってみたが失敗が続いたので、グレーのおばあちゃんがより簡単なゲームを選んで「こっちなら大丈夫よ」と言った。

通路を挟んだ向こう側のグリーンのおばあちゃんも、タッチペンを使ってiPadでぷよぷよ的な何かをやっている。
オレンジのおばあちゃんはiPhoneで留守電をチェックした後(音量が大きいので内容が聞こえていた)、他のおばあちゃんたちに「みんな、出発前に機内モードにしとかなきゃダメよ」と指示した。
グレーのおばあちゃんが「どうするの?」と言うと、オレンジのおばあちゃんが「設定を開いて…」と説明した。

日米の違いはいろいろあるけど、高齢者のITスキルの差はものすごく大きいと思う。
日本人は下手したら高齢者じゃなくても「こういうの苦手なんで」とか「子どもの頃、パソコンがなかったから」とか言って許される場面があるけど、そんなこと言ったらこのおばあちゃんたちは子どもの頃、タブレットどころかインターネットも携帯電話も、おそらくカラーテレビもなかった人たちだよ?

先日聞いた、日本の職員室の話を思い出した。
教育系のアプリ開発をしても、日本の職員室にはそれを使える人が数人しかいない。
その数人が窓口となって、いちおう学校レベルでは導入となっても、実際に教室でどの程度使われているかはわからないのだそうだ。
私も最近、日本の高校の英語教師だという人が、初歩的なところでパニクっていたのに手を貸したところだから、そんなもんだろうという想像はつく。

それはともかく。

しばらくして、ブルーのおばあちゃんが機内モニターを触り始めた。
タッチするのだが、動かない。
グレーのおばあちゃんに相談を持ちかけ、二人でタッチするが、やっぱり動かない。

確かにタッチでできるモニターの方が普通だけどね。
どうやらこれはリモコン式みたい。
肘掛にリモコンが内蔵されてますよ、と教えてあげると「おぉ、ありがとう。あなた旅慣れてるわね」と言われた。
いやいや。
1人分以上の幅をとっているおばあちゃんたちは、肘掛を跳ね上げてしまっているから、見つからなかっただけだよ。
そうとわかればすぐに使える。
4人全員が、今度はモニターを操作しはじめた。

肘掛を下ろして窮屈じゃないのかなと気になったが、意外と大丈夫なのね。
でもやっぱり操作がしにくいらしく、まもなく断念。
モニターをオフにし、iPadのゲームに戻った。

空港到着後は職員のサポートが要る様子だったので、挨拶をして先に降りた。
が、途中で抜かされた。
運転手付きのワゴンみたいな箱の車に4人はすっぽり納まって、「バーイ」と言いながら去っていった。

良い旅を!

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