Haku Maki

新しく買った絵をどこに飾るか、なかなか決まらない。

友人Lがある創作版画家の作品を集めていると言うので、探すのを手伝っているはずだったのだが、あろうことか、私が一目惚れしてしまった。

創作版画とは、木版画が大衆に受け、大量にコピーが出回るようになった明治末期に、工業的、商業的、実用的な流行に反発するかたちで生まれた。
あくまでも美術性を追求し、最初から最後まで版画家がひとりで製作する(参照)。
この時点でもう私のツボをちょっと刺激する。

Lから聞いていた版画家の名前は『ハイク・マキ』。
ネット上をうろうろして、ようやく、正しくは”Haku Maki”、日本語では『巻白』だと探し当てた。
いずれにしても日本の人名とは思えないよね。

“Kamikaze Pilot”として第二次世界大戦に出征し、生き残って芸術の道へ。
アメリカでは研究家やコレクターも多く、展覧会や所蔵美術館も有名どころが並んでいる(参照)。
ほー。
しかし、日本語の情報は多くなく、つまりLが期待したほど、私はリサーチの役に立たなかった。

その時の私はHaku Makiの作品におもしろさは感じたが、「ほー」を越える感想は特になかった。
文字のアートなら、書のほうが好きだし。

そんなことがあって2年ほどが経ち、ひょんなことから、またHaku Makiの作品をネット上で検索する機会があった。
そしたら、出会ってしまった。
他のHaku Maki作品とはちょっと違う、文字と絵の間の、絶妙なバランス。
いかにもHaku MakiじゃないHaku Maki。
ずきゅーん。

1週間ほど考えて、母に背中を押されて、思い切って買った。
実物は画面で見るより色が鮮やかで、エンボスに味があって非常に美しい。
遊び心があって、どこか切ない。
買ってよかった。

さて、飾ろう。
寝室はすでに別の絵(参照)がかかっているので、玄関にするか、リビングにするか。
リビングなら、どの壁にするか。
金具などが揃うまで、窓際の棚に仮置きしつつ、来客たちにアイディアを募り、ソファの上に飾ることにほぼ決まっていた。

が。
ある朝ブラインドを開けたら、雪の青と木々の黒が、絵とよくマッチしているのに気づいた。
そうかぁ、窓際に飾り、この景色と合わせた絵を、ソファに座って眺めるのもアリだな。
ふむ。

「女房と絵は一ヶ月暮らせばその真価がわかる」のだそうだ(参照)。
ゆっくり考えよう。

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