本運

本に関する運が強いのかもしれない。

去年の秋には、私にとって大きな鍵となる絶版本を信じられない破格でゲットした。
後でわかったことだが、この売り手は小さな古書商を始めたばかりで、まずは儲けより高評価を稼ぎたかったらしく、いわば出血大サービスのオープン特価で出品していたのだ。
これ以降もう二度とそんなワケのわからない取引はなく、世界中に数えるほどしか残っていない超稀少本は元どおりの安定した高値で売りに出ている。

今回のは新刊。
冬休み中に珍しく師匠からメールが届き、「これはキミの分野じゃないか」と紹介された。
チェックしてみると著者は1年ほど前、P教授つながりでお世話になったS教授。
これは必読!と
アメリカに戻るなり図書館に発注。
その後F教授にも同じ本を、「これ、興味あるんじゃない?」と勧められた。
いろんな人に気にかけてもらっているのはありがたいことだ。

うちの図書館はいつも驚くほど仕事が早いのだが、今回は他大からの取り寄せに時間がかかっていた。
裏表紙のレビューにある”Hooray! This is what we’ve been waiting for”(ィヨ!待ってました!)という言葉に激しく同意。

ぱらぱらっと見てすぐに、あぁ、これは買いだな、と思う。
今後もずっと手元に置いておいた方がよさそうだ。
なにしろ取り寄せ本は貸出期限が1ヶ月と短い。

そこでネット検索してみると、発行部数が少ないのか、どこも値が張っているうえに、すでに品切れのところが結構ある。
少し待てば古本が出回り始めるかもしれないけど、逆に稀少価値がつく可能性もある。
これは早めに動いた方がよさそうなニオイ。
でも高いしなぁ。

で、数日おいてまた探してみると、1冊だけ半額セールになっているのを発見。
おぉぉ?
NYCにあるこの取扱店は本屋としては老舗だけど、ネット店はあまり充実していないので、日本でいうカカクコムみたいなサーチに乗ってこない。
すぐに注文を出したけど、大手みたいにささっと返事は来ないし、やっと届いた受注メールには『店頭販売で売り切れになる場合があります』という注意書きもあるしで安心できない。
実際、翌日このお店のサイトを再訪すると品切れ。
んむむ、大丈夫か?

でも今日、何の問題もなくあっさり届いた。
よかったよかった。

極度の本ギライとしては、できるだけ読まずに済ませたい。
仕方がない場合に限り、重い重い腰を上げてイヤイヤ読むのだから、「読んでみたけどイマイチ」なんてことは絶対に許されない。
要らないものに大枚は叩けない。
そういうネガティブな感情が、結果的に本運を押し上げているんだろうなぁ。

ちなみに私は興味が薄れたものはさっさと手放してしまう性質なので、うちにある本はちっとも増えない。
少数精鋭がさらに淘汰されて、マニアック濃度がどんどん高くなる。

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